私たち人間は、おいしいものを食べたときに「おいしい!」と言葉で伝えたり、自分の好きなものを選んだりすることができます。
けれど、言葉を話せないワンちゃんは「おいしい」と伝えたり、お店で自分の好みのフードを選んだりすることができません。
食事をおいしいと感じることや、それぞれの好みのことを「嗜好性(しこうせい)」といいます。ドッグフードでも、「嗜好性が高い=おいしくてよく食べる」という意味で使われることが多い言葉です。
では、飼い主様はワンちゃんが「おいしい」と感じているかどうかを、どのように判断すればよいのでしょうか。
ワンちゃんの場合、おいしさ(=嗜好性)は食べる量に比例するといわれています。
そのため嗜好性を評価する方法として、同じ条件のもとで複数のフードを同時に与え、どちらをどれくらい食べるかを比較するテストがよく行われています。
ドッグフードメーカーも、このような方法で嗜好性を検証・分析し、よりおいしく食べてもらえるフードの開発に努めています。もし嗜好性が低いフードであれば、どれほど栄養バランスが整っていても必要な量を食べられず、栄養不足につながってしまう可能性があります。
嗜好性の高さは、ワンちゃんが喜んで食べている姿を見るという飼い主様の幸せにつながるだけでなく、必要な栄養やエネルギーをしっかり摂取するために食欲を高める、ドッグフードにとってとても重要な要素なのです。
犬がおいしいと感じる味は、主に糖分による甘みと、アミノ酸に含まれる旨味です。
犬は人間よりも甘みやアミノ酸由来の旨味(酸味に近い感覚といわれています)を強く感じることができる一方で、苦味や辛味を察知する力にも優れています。これは本能的に毒物などの危険なものを避けるために発達した味覚だと考えられています。

また、"匂い"もおいしさを左右する重要な要素です。複数の研究により、犬は味そのものよりも匂いによっておいしさを判断していることが分かっています。アメリカでは、犬が好む匂いは遺伝子レベルで決まっているのではないか、という研究も進められています。
もし本当に遺伝子レベルで好みの匂いが決まっているとしたら、オオカミを祖先にもつ犬が肉の香りを好むのも、自然なことなのかもしれません。